どん底の人生を生きるタクシードライバーたちが思いもよらぬ《偶然の連鎖》に導かれ、幻の絵画をめぐるたった一夜の《人 生逆転計画》へ挑む様をスリリングに描き出す《予測不能》の『Sin Clock』が2023年2月10日(金)より新宿ピカデリーほかにて初日を迎えた。
『Sin Clock』が、18年ぶりの邦画長編単独主演作となった窪塚洋介と、共演の坂口涼太郎、橋本マナミ、そして本作で商業映画デビューを果たした牧賢治監督が登壇する公開初日舞台挨拶が開催され、予測不能の質問ボックストークで、思わぬ回答も飛び出し、会場を大いに盛り上げた。
偶然の連鎖が引き起こす《予測不能》の犯罪活劇『Sin Clock』が2023年2月10日ついに全国公開!初日に新宿ピカデリーにて舞台挨拶が行われ、主演の窪塚洋介、坂口涼太郎、橋本マナミ、牧 賢治監督が登壇。
どん底の人生からの一発逆転を目指すタクシードライバー・高木シンジを演じた窪塚にとって、18年ぶりの邦画長編単独主演映画。念願の封切りを迎えて窪塚は「どうも、サミュエル・L・ジャクソンです」といきなりのジョークを交えた挨拶をしつつ「こんなに満席で集まっていただき、本当にありがとうございます!」と満面の笑みを浮かべた。
シンジ(窪塚)とともに一晩の強奪計画に挑む番場ダイゴ役の坂口は、実父が阪神・淡路大震災を機にタクシードライバーに転職して家計を支えていたことを明かし「父親にこの映画を観てもらえるのが嬉しい」と感無量で「大都会で生きる一人ひとり、みんなが主人公でヒーローです。やっとこの映画を届けられる日が来たことを嬉しく思います。ヨロ Sin Clock!」と宣言。これに 窪塚は「温かい話もあって、笑いもあって...。もう舞台挨拶は終わりで良いでしょう!」と感動していた。
そんな坂口は窪塚について「太陽のようにみんなを照らしてくれる方。みんなの良いところを見つけて褒めてくださって、愛情深く懐も深くおおらか。窪塚さんは人として根本から好き」とリスペクトしきっており、窪塚を「...ありがとうございます!」と照れさせていた。
一方、強奪計画のカギを握る妖艶でミステリアスなホステス・ユカを演じた橋本は、現場での紳士的な窪塚の立ち振る舞いに感激する一方で、共演する前に窪塚に抱いていたイメージを聞かれると「窪塚さんの作品は 20歳前後の頃から見ていたので、本当に存在するのかな?というところから始まった。ロケ弁食べるのかな?とか、ゴハンを食べないでも生きていられるような宇宙人みたいな印象があった」と雲の上のような存在だったと明かし、窪塚から「俺はUMAか?」とツッコミを受けていた。さらに橋本は「ロケ弁も私が見る限り食べていなくて、急に現場に現れる」と冗談めかして、窪塚は「そんなことはありません。 僕はちゃんと呼ばれた時間に行きますし、ゴハンもちゃんと食べていますよ」と笑いながらしっかり訂正していた。
窪塚は坂口について「先輩・後輩もあるけれど、カメラの前ではみんな同じ。本読みの段階で頼れると思った」と全幅の信頼を寄せて、橋本については「橋本さんはまさにミセス妖艶。キスシーンでは骨抜きにされました」と告白。坂口から「エロ親父みたいな感想になっていますが...」と指摘を受けると、「ちょっと一杯飲んでいい?」と楽しそう。牧監督については「作品も人間性 もバランスがとても良い。ブラックミュージック好きだったり、まるで昔からのツレみたい。めちゃめちゃ仲良くなりました」と意気 投合したエピソードを披露。
どん底のタクシードライバー3 人が人生逆転を賭けた運命の一夜に挑むストーリーにちなんで、《逆転エピソード》も披露。窪塚は転落事故からの復活エピソードを口にするも「マンションから落ちたときフェンスに引っ掛かっていたので、“窪塚フェン介”に改名しようかと思った」と乗り越えたからこそのギャグ。窪塚のあっけらかんとした口調に坂口は「もはや漫談!?」とビックリしていた。
《逆転エピソード》を聞かれた坂口は「昔は見た目に自信がなくてコンプレックスだらけだったけれど、今ではこんな素敵な場所に立てている。昔の自分からしたら大逆転。コンプレックスは宝物だとようやくわかった」としみじみ。13歳から芸能界入りし、 14年の下積みを経験したという橋本は「グラビア撮影の現場に行ったら、手ぬぐいとヒモだけが置いてあった。露出がどうとか綺麗に見せたいとかどうでも良くなって、読者に伝わればいいと手ぬぐい片手にやったそのグラビアが大反響。そこからお仕事が来るようになった。大逆転アイテムは手ぬぐいです!」と胸を張った。
続いて登壇者から自分以外に宛てた質問が入っている《予測不能の質問ボックストーク》を実施。牧監督から「美貌の秘訣」を聞かれた橋本は「良質な睡眠!」と回答。坂口から「表現で大切にしていること」を聞かれた窪塚は「一言でいうと、無」といい 「台本は覚えるけれど、現場では忘れる。計算を超越した所でやらないとキャラクターが生きているようには見えない」と真面目に返答。マルチな才能の持ち主である坂口は、窪塚から「好きなことの順位」を尋ねられると「自分の思いを発表することが 1 位。2 位は音楽、3 位はダンス、4 位は短歌です」と明かした。
またタクシードライバーの一人を演じた葵揚からは VTRで窪塚に「ドライブ中に聞く曲、アガる曲を教えてください」との質問が寄せられた。これに窪塚が「僕はラジオ派」と返答すると、橋本から窪塚のレゲエ DJ 名義である「卍 LINEは聴かないんですか?」と素朴な疑問が。窪塚は「知ってくれているんですね?」と嬉しそうに反応して「たまに聴くかな?YouTubeにアップされているので是非聴いてください」と観客に呼び掛けていた。
最後に牧監督は「自分の脳内で作ったものがスクリーンに映し出されて、皆さんの網膜に映し出されて脳内に刻まれる。映画は奇跡に近いものだと思う。90分間の不思議な夢を見てほしい」とアピール。窪塚は「シンジのくすんでいる感じとかは、マン ションから落ちた当時の自分の振り返りたくない捨てた感情を思い出して演じました。誰に感情移入するかわからないけれど、 皆さんの見たいように見ていただきたいです。劇中にはないけれど、雨の似合う映画なので雪と雨という良い日に初日を迎えられて幸せです」と大ヒットを祈願していた。
『Sin Clock』
2023年2月20日(金) よりミッドランドスクエア シネマほかROADSHOW
STORY
社会からも家族からも見放されたタクシードライバー、高木。 奇妙な偶然が呼び寄せた、巨額の黑いカネを手にするチャンス。鍵を握るのは一枚の絵画。 高木はたった一夜での人生逆転を賭け、同僚らと絵画強奪計画を決行。 だが、運命の夜はさらなる偶然の連鎖に翻弄され、男たちの思惑をはるかに超えた結末へと走り出していく――。
DATA
●監督・脚本:牧 賢治
●出演:窪塚洋介、坂口涼太郎、葵 揚、橋本マナミ、田丸麻紀、Jin Dogg、⻑田庄平、般若、藤井誠士 風太郎、螢 雪次朗…ほか
●配給:アスミック・エース
●上映時間:94分
PG12
(C)2022 映画「Sin Clock」製作委員会