1992年に実際に起きた「金沢女性スイミングコーチ殺人事件」の担当だった元刑事、西村虎男が本人役で主演し、フィクションとドキュメンタリーの二重構造で、2007年に時効を迎えてしまったその未解決事件に再び挑む異色のミステリー映画。脚本・監督の村山和也はCM・MVで活躍し、短編映画『堕ちる』(2017年)を発表後、本作で初の長編映画デビューを飾った。監督自身が金沢出身で、小さい頃に野球をしていた遊び場が殺害現場になったことから、「虎男さんの無念さを映画で表現したかった」と、事件を再捜査するような感覚で作り上げたという。犯人の目星をつけながらも、逮捕に至らなかった刑事歴30数年の執念の捜査は終わらない。眼光鋭いとら男の魂の彷徨に共鳴する大学生・梶かや子を山浦未陽監督の『もぐら』に主演した加藤才紀子が演じ、不思議なバディ映画にもなっている。
今回、9月3日(土)、名古屋シネマテークで公開初日舞台挨拶が行われ、村山和也監督、出演の西村虎男さん、加藤才紀子さん、長澤唯史さんが登壇!
<NOW EDITING>
『とら男』
2022年9月3日(土)より名古屋シネマテークにてROADSHOW
STORY
石川県金沢市で孤独に暮らす元刑事の西村とら男(西村虎男)は、唯一迷宮入りさせてしまった「女性スイミングコーチ殺人事件」を終わらせられずにいた。この事件は、1992年9月に20歳の新人コーチの千穂が殺害された事件で、彼女が勤務を終えて職員駐車場を出た約90分後、同じ場所に彼女の車が戻され、その車内で遺体が発見されたという奇妙な事件だった。また、彼女の髪に絡まったメタセコイアという珍しい植物からすぐに殺害現場が特定され、現場には被害者の靴が残されるなど証拠も多かったが、なぜか犯人が逮捕されないまま事件発生から15年後の2007年に時効を迎えてしまったのだ。そんなある日、とら男は、行きつけのおでん屋で東京から来た大学生のかや子(加藤才紀子)と出会う。かや子は、授業で偶然聞いた「生きた化石」という別名を持つメタセコイアに自分を重ね、卒論のテーマに選び、調査をするために金沢に来ていたのだ。そこで、とら男からメタセコイアの関係する古い殺人事件があったと聞き興味を持ち、翌日から事件を調べ始める。時効になり、誰からも忘れられている化石のような事件がゆっくりと動き出していく。
DATA
●監督:村山和也
●出演:西村虎男、加藤才紀子、緒方彩乃、河野朝哉、河野正明、長澤唯史、南一恵、吉田君子、中谷内修、深瀬新、安澄かえで、大塚友則、河原康二、石川まこ…ほか
●配給:「とら男」製作委員会
(C)「とら男」製作委員会