大阪西成区の中学で教鞭をとっていた蒲益男。差別や偏見から校内暴力で荒れる生徒たちと正面から向き合い、慕われた存在だった。2010年に58歳で世を去った彼の人生に強い感銘を受け、映画化したのは、ロックバンド・騒音寺(本作の主題歌も担当)のPVや、『秋桜残香』『傘の下』を手がけた川本貴弘監督。プロデューサー・監督・脚本の三役を務め、蒲先生のことを2014年から2年半にわたり取材。教師と生徒が何度もぶつかっては理解し合った姿を知るにつれ、現代を生きる人たちへの道しるべになるものが作れると確信。2017年にパイロット版をつくり映画製作への理解を訴え続けた結果、2万人を超える人々から完成を望む声が寄せられた。企画から7年、ついに映画は完成、ここに劇場公開が実現した。
教師と生徒である前に人と人として向き合い、互いに尊敬と信頼と理解を持つことの大切さ。
ソーシャルディスタンスが叫ばれる未曽有の混乱の今、真の人間同士のつながりとは何か?これからの時代を生きるヒントがこの映画にはある。
実在した蒲先生を演じるのは、自身も大阪出身である山中アラタ。ヒロインの新米教員・加藤先生を映画初主演となる折目真穂。もうひとりのヒロイン・由貴にNMB48を卒業後、女優として再始動する近藤里奈が映画初出演。同僚教師役には木村知貴、牛丸亮、高見こころ、石川雄也ら実力派が脇を固める。さらには関西の演劇界から皷美佳、浅雛拓、山本香織らが加わり、映画にリアリティを与えている。
今回、名古屋シネマテークの9月2日(木)、上映後に川本貴弘監督が登壇する舞台挨拶が行われた。
REPORT
<NOW EDITING>
『かば』
2021年8月21日(土)より名古屋シネマテークにてROADSHOW
(C)「かば」製作委員会