2013年に第149回直木賞を受賞し、電子書籍含め累計発行部数85万部を超える桜木紫乃の自伝的代表作を映画化した『ホテルローヤル』。
原作は、著者の桜木紫乃自身の生家でもある北海道の釧路湿原に立つラブホテルを舞台に、現在から過去へ時間軸を遡り、ホテルの盛衰とそこを訪れる人々の生と性を、切なくも瑞々しいタッチで描いた七編からなる連作小説。発売元の集英社で「ここ5年で発売した中で最も売れた」単行本・電子書籍としても知られ、いまなお性別を超えて多くの読者を獲得している。
監督を務めるのは、『百円の恋』で日本アカデミー賞をはじめ国内外の各映画賞を総なめにし、『嘘八百』シリーズや『銃』、Netflix「全裸監督」の総監督と精力的に作品を手掛ける武正晴監督。脚本は、現在放送中のNHK連続テレビ小説「エール」を手掛ける清水友佳子。人間の抱える欲望や優しさ、悲哀を丁寧に救い上げる珠玉の人間ドラマを描く。
主演を務めるのは、連続テレビ小説「あさが来た」をはじめ、「あなたのことはそれほど」「G線上のあなたと私」『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』など、ドラマ・映画と多彩な作品でその存在感を示す女優・波瑠。3月に公開された『弥生、三月-君を愛した30年-』では監督を務めた遊川和彦が惚れ込みオファーをするなど、ー流の仕事人たちから絶大なる支持を受け主演オファーが絶えない実力派女優だ。本作で彼女が演じるのは、ラブホテル「ホテルローヤル」の経営者の一人娘・田中雅代。美大受験に失敗し、どことなく居心地の悪さを感じながら、家業であるホテルの仕事を手伝うことになっていく役どころ。ひとときの“非日常”を楽しみ、安らぎと寂しさを胸にホテルを後にする客たちを、少し冷めた目線で眺めながら仕事に励むという難しい心情を繊細に表現している。
今回、『ホテルローヤル』のポスタービジュアルが解禁!ポスタービジュアルには、雅代が淡い恋心を抱くアダルトグッズ会社の営業・宮川(松山ケンイチ)、ホテルローヤルの経営者で雅代の父親・大吉(安田顕)、家庭を顧みなくなった大吉に愛想を尽かせる母親・るり子(夏川結衣)、ホテルローヤルのパートタイム従業員(余貴美子、原扶貴子)、親に見捨てられた女子高生(伊藤沙莉)と、妻の浮気に耐える高校教師(岡山天音)、親との同居でなかなか肌を合わせる時間がない夫婦(正名僕蔵、内田慈)など様々な人たちが描かれています。切ない中にも温かさを感じるビジュアルは、北国のラブホテルで繰り広げられる群像劇の到来を予感さる。
(C) 桜木紫乃/集英社 (C) 2020 映画「ホテルローヤル」製作委員会