近藤喜文は、新潟県五泉市に生まれ育った日本屈指のアニメーターで、高畑勲・宮崎駿両監督から厚く信頼を寄せられていた人物。高畑勲監督の「赤毛のアン」「火垂るの墓」など、日本のアニメーション史に残る作品で作画監督やキャラクターデザインを務め、唯一の長編監督作品「耳をすませば」で大成功を収めたが、1998年1月に47歳の若さで急逝した。 彼が急逝する前に手がけた唯一の長編監督作品「耳をすませば」は、 今もなお多くの人に愛されている。本展では、スタジオジブリの全面的な協力のもと、近藤喜文が描いた キャラクター・デザインやアニメーション原画、イメージボード、スケッチ等多数展示。
「耳をすませば」絵コンテ(部分)1995年 (C)1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH
今回、開催前日の、7月5日(金)に一足お先に取材してきました。
近藤喜文(こんどう よしふみ 1950-1998)
1950年、新潟県五泉市生まれ。
1968年、新潟県立村松高校卒業後、Aプロダクションに入社。アニメーターとして「巨人の星」「ルパン三世」「ど根性ガエル」「パンダコパンダ」などで活躍。
「未来少年コナン」を経て、78年、日本アニメーションに入社。1979年放映の「赤毛のアン」(演出:高畑勲)でキャラクターデザイン、作画監督に抜擢される。
1980年、テレコム・アニメーション・フィルムに入社。「名探偵ホームズ」の後、日米合作映画「リトル・ニモ」の共同監督の一人として準備を進めたが、降板。
1987年、スタジオジブリに入社し「火垂るの墓」のキャラクターデザイン、作画監督を務める。高畑勲、宮崎駿の信頼も厚く、以後も「魔女の宅急便」「おもひでぽろぽろ」「紅の豚」「平成狸合戦ぽんぽこ」などで活躍。1995年公開の「耳をすませば」で、初めて劇場用長編の監督を務めた。
1998年、解離性大動脈瘤により、47歳の若さで永眠。
メリハリのあるアクションから細やかな生活芝居まで手がける高い技術と、仕事に妥協を許さない姿勢は、多くのアニメーターに影響を与えた。
主な関連作品
「未来少年コナン」1978年/「赤毛のアン」1979年/「名探偵ホームズ」1982年/「リトル・ニモ」(パイロットフィルム)1984年/「火垂るの墓」1988年/「魔女の宅急便」1989年/「おもひでぽろぽろ」1991年/「紅の豚」1992年/「耳をすませば」1995年/「もののけ姫」1997年
【見所#1】アニメーター近藤喜文の誕生
「ルパン三世」「未来少年コナン」など、初期に関わった作品を紹介。
【見所#2】開花しはじめる才能
「赤毛のアン」「名探偵ホームズ」など、高畑勲、宮崎駿との出会いで、新たな世界を切り開いていた時期。
【見所#3】大いなる挫折
企画だけで成立しなかった作品のラフスケッチや、日米合作映画「リトル・ニモ」のために作成したパイロットフィルムを紹介。
【見所#4】スタジオジブリ時代
「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」のキャラクター・デザインやイメージボード、「魔女の宅急便」のイメージボード、「紅の豚」や「もののけ姫」などの原画、唯一の長編監督作品「耳をすませば」の絵コンテ、キャラクター設定、セル・背景原画などを展示。
この男がジブリを支えた。近藤喜文展
(三重県総合博物館開館5周年記念特別展)
⬛︎会期:2019年7月6日(土)~9月16日(月祝)
⬛︎休館日:毎週月曜日(7月15日、8月12日、9月16日は開館)及び7月16日(火)
⬛︎開館時間:平日9:00~17:00、土日祝日9:00~19:00(ただし入場は閉館30分前まで)
⬛︎会場:三重県総合博物館(MieMu:みえむ)
三重県津市一身田上津部田3060
主催:近藤喜文展実行委員会(三重県総合博物館、中京テレビ放送)
共催:中日新聞社
企画制作協力:スタジオジブリ、三鷹の森ジブリ美術館
お問合せ:三重県総合博物館 TEL:059-228-2283
4/15(月)より前売券販売開始
前売券は2019年4月15日(月)〜7月5日(金)までお求めいただけます。
未就学児童は入場無料。
20名以上の団体割引は、会期中も前売料金。
身体障がい者手帳等をお持ちの方とその付添の方1名様は観覧料無料。
各種割引の併用はできません。
価格は全て税込。
[料金]※( )内は団体・前売料金
一般:1,300円(1,040円)
学生:800円(640円) 小中高生:500円(400円)
未就学児無料
※年間パスポートはご利用いただけませんので、予めご了承ください。
【見所#5】記念にGOODS販売!