結婚を間近に控えた根っからのばぁちゃんっ子の孫娘と、足を怪我して施設で暮らす祖母。「一緒にバージンロードを歩きたい」という孫娘の願いが、施設に引きこもったまま心を閉じかけていた祖母を動かし、2人でその目標に向けてリハビリを重ねて奮闘する……。人間関係の希薄化が取りざたされる今の時代に、世代を越えた家族 <祖父母・父母・子>の絆や、人から求められて生きることへの希望を描いたハートウォーミングな映画が誕生した。
「映画美学校プロットコンペティション2016」で最優秀賞を受賞した上村奈帆のプロットから生まれた脚本をもとに『花戦さ』『起終点駅 ターミナル』の篠原哲雄監督がメガホンをとった。純粋な孫娘・夏海を演じるのは文音。いつも明るく、真っ直ぐに目標へ向かうキャラクターを表情豊かに活き活きと演じる。また、草笛光子が、孫娘の願いに応えようと頑張る、芯の強い祖母・キヨを演じ、ベテラン女優ならではの存在感を放つ。
ほか共演陣には、夏海の婚約者に三浦貴大、キヨが暮らす施設でリハビリ治療を行う理学療法士に桜田通、また夏海の優しい父に鶴見辰吾など、若手、ベテランの実力派俳優が集結した。
今回、映画『ばぁちゃんロード』の公開初日舞台挨拶が4月14日(土)、東京の有楽町スバル座で行われ、主演の文音、草笛光子、共演の三浦貴大、桜田通、鶴見辰吾、篠原哲雄監督が登壇した。
結婚を控える根っからのばぁちゃん子・夏海役の文音は「昨日の夜からドキドキしていましたが、ちゃんと公開を迎えたことにホッとしています」と10年ぶりの主演映画に感慨。プライベートでも親交のある草笛との共演に「撮影中は役とプライベートが重なるところもあって、草笛さんだったからできたことが沢山あった」と気心知れた仲に感謝し「バージンロードのシーンは最後に撮影したこともあって、今までの気持ちを思い出したりして、心にグッとくるものがあった」と振り返った。
施設で暮らす夏海のばぁちゃん・キヨ役の草笛は「文音さんのウエディングドレス姿が本当に綺麗で…。でも今日は私が白いドレスを着ているので、今は私が花嫁です」と自らのコーディネートをチャーミングに紹介。本作のタイトルを友人に教えたところ「おばあちゃんが高速道路をバイクで走るのね?と言われて、私ってそんなにお転婆に見えるのかしらと思った」と笑わせつつ「これまでは派手な役や人を誘惑するような役、おどろおどろしい役などが多かったですが、今回は何でもないおばあちゃん役。篠原監督には『芝居はしません』と宣言しました。とにかく好き勝手にやりました」と等身大をアピールした。
夏海の幼馴染の婚約者・大和役の三浦は「実は文音さんとは事前の打ち合わせもせずに演じました。でも自然に楽しくできた。何の打ち合わせもしないのによくできたと思う。ありがとうございます」と文音に敬礼。文音から「ウエディングドレス姿は人生初だし、結婚式も初めて。凄く新鮮だった」と言われると、三浦は「ラッキー!凄く綺麗だったので、一緒に写真も撮ってしまいました」と喜んだ。
ちなみに文音は、女優・志穂美悦子と歌手・長渕剛の娘。一方、三浦も山口百恵さんと俳優・三浦友和の息子。リアルに2人が結婚したら、まさにビッグカップルだが…。文音が「撮影が終わった後にそれに気づいて、『私たちが結婚したら、両家の顔合わせはめっちゃ豪華だね』と言った」と振り返ると、三浦は「それは大騒ぎですよ。顔合わせの場には行きたくない。欠席するわ!」と苦笑いだった。
夏海の父親役の鶴見は「三浦君がお婿さんなら、もう上の上」と盛り上げながら「でも役の上では夏海の父親ということなので、内心は嬉しいけれど父親として素直に喜べない感じを醸しだそうと演じました。実際に僕が結婚するときのシチュエーションに近い部分もあったので、家内のお父さんからヒントを得て演じた部分もあります」と役作り秘話を告白。リハビリ介護士役の桜田は、草笛との共演を回想し「草笛さんの足をストレッチするシーンでは、草笛さんの体が柔らかすぎて、どこまで行くの!?と思うくらい。『止まらない!どうしよう!監督!』と焦った」と役とは真逆な草笛の身体能力に舌を巻いていた。
本作公開に篠田監督は「家族の静かな温かい話ですが、俳優の皆さんに人間の普通の営みを自然体に振舞ってもらうことができたので撮れた作品。あまり目立たないような小規模な作品かもしれませんが、今の日本映画界にこそ、こういった映画は大切です。幅広く広まっていくことを期待します」とアピール。文音も「愛には様々な形があります。愛とは形もなく、言葉でも伝わらないもの。感じることが全てです。そんな愛が溢れてる作品になりました。観ていただいた皆さんが、自分の大切な人のことを考えるきっかけになれば嬉しいです」と期待を込めた。
(C)2018「ばぁちゃんロード」製作委員会
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