
映画『ブルーハーツが聴こえる』の連続初日舞台挨拶(1回目・2回目)が、4月8日(土)に都内・新宿バルト9にて実施され、豪華キャスト陣と監督陣が舞台挨拶に登壇。
1回目舞台挨拶REPORT
1回目の舞台挨拶には『人にやさしく』から市原隼人、下山天監督、『ラブレター』から斎藤工、山本舞香、井口昇監督、『1001のバイオリン』からは豊川悦司、三浦貴大、李相日監督が登壇した。
大きな拍手で迎えられた各キャスト・監督の面々は公開までに2年という年月がかかった本作品が、初日を迎えられたことを喜びながら観客に対して挨拶を述べた。
まず本格SF作品『人にやさしく』へMCから、THE BLUE HEARTSの楽曲『人にやさしく』からまさかのSF。この楽曲を選んだ理由と、物語はどのようにつくられたのでしょうか?という質問に対し、下山監督は、まずこの『ブルーハーツが聴こえる』を製作するにあたって6人の監督がそれぞれどの楽曲を選定するかというので、まさかの被りがなかったんです。監督それぞれの横の交流がない中でそれぞれがやりたいことをできました。何故「人にやさしく」かというと、インディーズ時代の原点の曲を選曲したかったんです。甲本ヒロトさんのお言葉で「ロックンロールは初心が頂点」という言葉がありまして、自分の初心は何だったのかなと考えた時に小学生のときに『スターウォーズ』が好きだったんです。監督になるきっかけは高校生の時に観た『ブレイブランナー』でした。それから日本映画に携わっていく中で全然宇宙に関われてなかったんです。なので初心を思うと僕は映画で宇宙に行きたい!と思い宇宙に行ってみました。アメリカ映画だとSFは殺し合いが多いと思うのですが、李監督の「1001のバイオリン」が震災後の福島をテーマにしたように、僕自身も3.11の後に思うことが沢山あり、被災者の皆さんの結束力とかを見て、これは宇宙に行って日本人なりに一人も人が死なないでジャパンオリジナルのオチが出来るんじゃないかなと思ったのですと答えた。
実は人間でないヒューマノイドを演じた市原は、今回初日を迎えられてすごく感謝しています。何よりの花形はお客様だです。撮影では全体的にアクションシーンが多く、気が付いたら朝の10時でした。でももっと現場にいたかったです。僕はやりたくてこの職業に就いていますから。それが伝われば何よりですと熱い思いを語ってくれた。
次に初恋ファンタジー『ラブレター』の井口監督へMCが、数あるブルーハーツの楽曲から「ラブレター」を選ばれた理由を問うと井口監督は、僕はブルーハーツさんの曲はすごい好きだったんですけど、特にラブソングとバラードが好きだったんです。でも自分の作品は今までアクションとかホラーが多くて、いわゆる女性向きの映画?!ラブソングが流れるような映画を撮ったことなかったんです。僕高校時代全然モテなかったんですよ。なので人生の復讐をここで出来るといいかなと思いまして。当時の自分を工さん(斎藤)に置き換えてみました(笑)と語った。
作品の中で高校時代へタイムスリップするシーンはトイレの便器からタイムスリップするという何ともユニークなシーンを演じた斎藤は当時を振り返り、クリスマスの夜に半日そのシーンの撮影をしていたんです。排泄物の気持ちになって、目線はこうゆうものなのかと感じてたと答え会場を沸かせた。
プレミアム上映会では残念ながら登壇叶わなかった斎藤の初恋相手の役を演じた山本は、初めて本作で観客の前に立った。そんな山本と斎藤にMCから印象に残っているシーンを問われると、8mmカメラのシーンがとても好きでしたと答えた。
※劇中で斎藤が山本を8mmカメラで撮影するシーンでは実際に斎藤が撮った映像が使用されている
当初斎藤の映像ではなく、井口監督が実際に撮った映像を使用しようとしていたことを明かすと、山本は斎藤さんで良かったです(笑)!と答えた。斎藤は学ランがしんどかったですね。要さんと待っている時も学ランでおっさん二人とてもシュールでしたよと答えた。
福島の震災を背景にヒューマンドラマを描いた『1001のバイオリン』李監督へ「1001のバイオリン」を選ばれた理由を問うと、曲中のヒマラヤ、消しゴムのフレーズがとても想像力を膨らますんですよ。ブルーハーツと弦楽器のコラボが珍しくて、弦が入ることによって映画音楽にも聞こえるんですよ。曲そのものの入り方もスムーズですし、曲が代弁してくれてるのかなと思ったんです。と答えた。
『ラブレター』山本同様、プレミアム上映会の登壇が叶わなかった豊川の後輩役を演じた三浦は実際に福島に行った感想聞かれ、撮影に入る前に、実際に福島で作業した方々にもお話しを伺いました。撮影では避難区域の家を実際に借りていたんですけど、場所は物音ひとつしなかったんです。そうゆう空間に入った時に、場所から人の思いというものを感じましたと答えた。豊川は、生き物の匂いがしないというのは人生で初の体験でした。人間の匂いって存在してるんだなと感じました。
そんな中、李監督が先に話した『ラブレター』チームのトイレの話などを受け、僕たちも面白いこと言わなきゃいけないんじゃないの?やっぱり“立ち小便”の話ですかねと話すと、会場が沸き上がった。豊川から、劇中で私と三浦さんの立ち小便のシーンがあるんですけど、実際はスタッフさんが偽のおしっこが入ったボトルを用意してくれてたんですけど上手くいかなかったんですよ。ですので、実はあのシーンは僕たち2人自前のおしっこなんですと暴露してくれた。
大きな拍手と共に1回目の舞台挨拶は無事終了した。
2回目舞台挨拶REPORT

2回目の舞台挨拶には『ハンマー(48億のブルース)』から尾野真千子、角田晃広、伊藤沙莉、飯塚健監督、『ジョウネツノバラ』から永瀬正敏、工藤伸一監督が登壇した。
『ブルーハーツが聴こえる』初日2回目の舞台挨拶は、「ハンマー(48億のブルース)から主演尾野真千子を先頭に、東京03の角田晃広、伊藤沙莉、飯塚健監督、「ジョウネツノバラ」から主演の永瀬正敏と工藤伸一監督が満席の来場者の拍手に迎えられ、華やかに登壇した。
登場順に一言ずつ来場者に向けての感謝の気持ちが述べられたが、ハンマーチームがコントのような掛け合いを見せ、会場を盛り上げた後、本作の企画から関わった工藤監督が下積みの長い作品になってしまったが公開できて本当にうれしいと感慨深い挨拶が述べられた。
恋愛に悩むアラサー女子をポップに描いた「ハンマー(48億のブルース)」へ印象に残っているシーンはと問われると角田は家具屋のシーンですが、長回しで撮影されていて7分〜10分ぐらいだったと思いますが、普段やっているコントの現場のような感じで緊張感がありました。がんばったんですが、最後の最後に噛んでしまって、気づきましたか?と観客を笑わせた。尾野はハンマーの曲を歌っている時、マイクではなくハンマーを持っていたのに気づいてくれましたか?と観客に問い観客のほとんどが気づいてくれた反応を見て、あのシーンは印象に残っているんですよと答えた。伊藤は現場で演出が変わる場面もあり、現場はとても緊張しましたと答えた。
角田は本読みの段階からすごくテンポが速くて、雰囲気も出来上がっていたので驚きましたと言葉に尾野は本当にすごくテンポが速かったです!ここに入っていくのかと思うぐらいと同調した。
飯塚監督はテンポを速くするような指示は特に出していないのですが、自然にピッチがあがっていったように思いますとチームが団結した様子を語ってくれた。
劇中のテンポの良い掛け合いさながらに、終始クロストークを繰り広げ、チームワークの良さを見せてくれた。
異色ラブストーリを描いた「ジョウネツノバラ」へ作品企画のきっかけはという質問に対し工藤監督は10年ぐらい前に俳優としてではなく、カメラマンとして作品に関わっていただいたことがあり、その時に映画の話で盛り上がり、今回の作品の原案を聞いていました。本作の企画が動き出し脚本を書きだした時、当時の永瀬さんの原案を思い出し、改めて永瀬さんに連絡し、脚本をお願いしましたと2人のチームワークの良さを語ってくれた。
永瀬からは、物語のきっかけは祖母が亡くなった時に、普段から非常に気丈な母が火葬の瞬間に泣き崩れたんです。その時、永遠の愛ということを感じ、その思いを男女の愛に投影させました。最初は台詞が一杯あったんです。一生懸命書きましたから。でも、工藤監督と内容を詰めていく中で、ブルーハーツさんの曲があれば、それだけで充分だという結論に至ったんですと自身のことと絡めながらその思いを語った。
撮影中印象に残っていることはと問うと永瀬は、現場はマイナス10度ぐらいの環境でした。そんな厳しい現場でいつも笑顔の水原さんにプロフェッショナルさを感じましたと現場の過酷さを伝えた。
工藤監督はCGなどは全く使っていないので、水原さんは本当に大変だったと思います。水原さんのシーンも拘りましたが、実は永瀬さんの特殊メイクにもこだわりがあり、少しずつしわやしみを足していっているんです。是非、もう一度ご覧になってみてくださいと観客を述べ、観客も終始和やかな雰囲気になった。
最後は、各作品の主演の2人が代表して挨拶をした。
尾野は、今日は本当にありがとうございました。皆さん、もう一度しわを見に来てくださいと笑いを誘い、永瀬は映画は作るだけでは完成しない、届けてこそ完成できるといつも言っていますが、本作は僕たちが届けなければいけない皆さんに助けていただき、公開できました。本当にありがとうございましたと製作から公開まで年月がかかった本作品への思いを語ってくれた。
更に、本作が5月26日に台湾で公開が決定したことがこの場で発表され、1回目・2回目共に満員御礼の中無事終了した。
『ブルーハーツが聴こえる』2017年4/8(土)〜4/14(金)→ミッドランドスクエアシネマにてROADSHOW
公式サイト

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